検査データ、日本と…

病院実習の一日目、指導者が受け持ち患者さんのプレゼンテーションをしてくれました。病名、経過など説明を聞いている最中に今朝の血液データが返ってきました。結果を見て彼女は“ポタシウムが低いわね、医師に報告しましょう”といいました。ポタシウム?と聞き慣れない言葉に困惑しました。検査データのスペルをみて手持ちの辞書で早速調べてみるとカリウムのことだったのです。Potassium (ポタシウム)です。もう一つ、potassiumの上にはsodium (ソディアム)と記載しておりこれも調べるとナトリウムのことでした。ちなみに無機リンはphosphorus (フォスフォラス)といいます。

このような感じです。

N(ナトリウム)→Sodium

K(カリウム)→Potassium

P(無機リン)→Phosphorus

カタカナだとついつい英語だと思ってしまいがちです。日本の医療用語はドイツ語由来が多いですが医療英語はラテン語から多く由来しています。

ちなみにカルテもドイツ語で(四角い紙)だそうです。日本にこの言葉が輸入された際に“診療書記”という意味に置き換えたそうです。英語ではchart(チャート)といいます。

英語の壁

お恥ずかしい話ですが、英語にはホトホト苦労しました。英語のエッセイを書きながら頭を悩ませ、日本の英語教育をぜひ改造してもらいたいと思ったことがしょっちゅうでした。今も考えは変わらず、グローバル渦中において文部科学省に英語教育カリキュラムをぜひ見直してもらいたいと思っています。

さて、イングリッシュの話に移しましょう。ホーリネームズに通い始めて最初の夏休みを迎えました。私は英語Bという必須クラスを近郊の短大で受けることにしました。このクラスは外国人がESLカリキュラム終了後にネイテイブたちと一緒に英語を勉強するクラスなので私たち外国人にとってハードルが高いのです。でもパスをしないと専門課程には進めません。授業初日、40人ほどの生徒たちが出席しており、立派なヒゲをはやした哲学者ソクラテスのような風貌をした先生が教室に入ってきました。クラス内容を聴講、難儀なクラスという印象を受けたのですが気持ちの上では何とかなるだろう、と思いました。翌日授業に行くと30人、翌々日は20人、そして5回目のクラスになると7人にまで減少していました。7人という少人数だと先生の指名は絶対に回避できませんし、文学コンテンツは内容が奥深く、ストレスもこの上なく溜まりそうな予感がし、私もこの波に乗ってクラスから消えようかな、、、“脱落”の2文字が頭をすうっーとよぎりました。しかしこのクラス単位が取得できなくなると次秋からは看護実習も始まり、授業の多さにも収集がつかなくなるので、ここはひとまず歯を食いしばって授業についていくことにしました。提出物はすべて長文エッセイです。修正の繰り返しばかりで凹みました。スーパーで買い物している時や運転の最中でさえもエッセイのことで頭がいっぱいでした。考えすぎて料理の最中に何度鍋を焦がしてしまったことか。

先生はいつも”what it has been said, and how it has been said.”という言葉をいつも私たちに投げかけていました。

結果はというと単位取得はできました!成績はCでしたが合格です。ハードルを超えた!ということが嬉しく幸福感の脈動のもと“サンキューベリーマッチ!”と大きな声で先生の両手をギュッと握りしめました。すると先生は“Cをあげてこんなに喜んだ生徒は初めてだ”、と少し戸惑った様子でした。

気分はA+でした。考えてみると比較的楽で良い成績がもらえた授業はさほど印象に残っておりませんがこのクラスは苦労した分、今でもすべて清明に覚えています。

みなさんも苦労して大変だったけど良い思い出になった、忘れられない、というエピソードはありませんか。

クラスメートの意外…

私が大学に入学したのは20年前です。アメリカの大学でコンピュータークラスは必修科目で当時はまだフロッピーデスク、データを保存して提出物はデスクを持ち歩いていて大学のコンピューターでプリントをしていた時代です(今では考えられないですね)ホーリーネームズ看護学科にはRN(正看護師免許)を持ってすでに病院で働いている看護師がBSN(看護学士号)を取得するために通っていました。なのでクラスメートは看護経験歴豊富で中には看護歴40年というベテラン選手がいました。その中で看護歴20年の救命救急看護師さんは同じコンピュータークラスを受けていたのですがグラフィックデザインの楽しさにはまってしまったそうです。そして、授業の最後の日に“わたし、グラフィックデザイナーになる!”と宣言をして病院を辞めてしまったそうです。そして先生にアドバンスコースを訪ねていました。彼女はなんと時給6000円の救急病院に勤めていたのですが。人生を充実させるものはお金ではなく本当に自分がやりたいことを見つけ、そのゴールに向かってまっしぐらに進んでいくことなのだ、と彼女の情熱をみてそう感じました。

黄金スマイル

アメリカ、テキサス州ヒューストンにMD Anderson Cancer Centerという世界最先端がん治療専門病院が存在します。16年前、WOC資格をこのセンターで取得しました。センターからシャトルバス出ており、私はそのバスに乗ってセンターに通っていました。普段は大きなシャトルバスなのですがたまたまその日は小さなバン乗用車でした。

“おはようございます!”と元気よくバンに乗り込むと

“おはよう!” と黒人ドライバーさんが車内ミラーを見ながら挨拶を返してくれ、その時、口腔内で何かキラキラ光ったのが目に留まったのです。気になって、運転手さんに

“口の中に何か入っているんですか?”と聞くと、

“ああ、これかい” と言ってもう一度、ニコッ、と満面な笑顔を見せてくれました。キラキラは上前歯二本(専門用語は中切歯)が金色だったのです。しかもよく見ると、その金歯1本にアルファベットがイタリック体で一文字ずつ彫金されてありました。

MT、 ???”

“これは僕のイニシャル” と答えてくれました。

“もしかして純金ですか?”と聞くと、

“18金。本当はダイヤモンド歯にしたかったんだけど歯医者ができない、と言ってね”  私は思わず、

“とっても見事な歯です、お似合いです!でも夜、お休みになるときは口を閉じてくださいね。泥棒に盗まれてしまいますよ”といったら

“はっはっはっ!” まばゆい光のような笑顔を見せてくれました。

 

ESL時代

カリフォルニアでは看護大学の入学前に同大学のESLで暫く英語の勉強をしました。こちらでは医療英語というよりもまずは日常英会話からの開始です。

ある日、Mr.ミーシャ(ロシア生まれのアメリカ国籍)先生が聞き取りレッスンのために子供の会話のテープを私たち生徒に聞かせました。そして聞き取りにくいことを説明していました。確かに子供のセンテンスは本当に聞き取りづらいのです。何度繰り返してもうまく聞き取れません。そしてミーシャは子供の話し方は普段聞き慣れている大人の話し方とは異なり、文章の区切り方や特に息継ぎの違うことを解説してくれました。Listen, her breath patterns、この言葉がいまでも忘れられません。

発見!意外な母校

母校ホーリーネームズカレッジは創立150年(明治維新の年ですね)の大学でビジネスと看護学に特化した大学です。無名な学校ではありますが素晴らしい教授たちが揃っており学問を修得するには最高だと思います。

最近ウイキペディアを読んで知ったことなのですが、ホーリーネームズカレッジはSoftBank会長、孫正義氏が英語を学ばれた学校でもありました。わたしが言うまでもありませんが、彼は優秀な生徒さんで一日の睡眠時間は3時間、特に英語は猛勉強されたそうです。すごいですね、高い志が伺えます。また、留学時代に同大学の生徒だった現在の奥様とも知り合っています。孫氏は2年間ホーリーネームズカレッジで勉学に励まれた後、お二人で全米一の公立名門校USバークレーに転学、孫氏は経済学、奥様は天体物理学を専攻されたそうです。